(素人小説執筆) 不便な探偵 1-1 〜来店〜
はい。すいません、門脇さん。えっと、今月は。
えっ?あっ」
夜の8時、少し動きは悪いがなんとかまだ自動ドア
としての能力を発揮しているドアがギギギギっと唸
りながら開いた。
少し寒い風と共に三人が来店した。
「すいません。珍しく客がきたんで落ち着いたら連
絡します。」
ひとまず、客が受付にたどりついたので電話は切っ
た。あとで連絡しなおすのは気が重いがいつもと違
う口調だったこともあって内容が気にはなった。
「いらっしゃいませ!カラオケ゛ラッキー゛へようこそ!」
「アノ、サンニンナンデスガハイレマスカ?」
なんだこいつ。口もあけていないのにどこからか予
想もできない所から機械音みたいな声を発した。
「あっ、えーと、空いてます。三名様でよろしいで
すか?」
一瞬怯んだが、なんとか返答できた。
「それ、外ではやめときなよ。ひときわ変な人なのがバレちゃうよ。」
小学生位の少年が嫌な顔もせずに普通に機械音男にだめだしをした。
「いやいや、これすごいんだって。鼻息でしゃべるだけで言葉に変換して発してくれるんだぞ。」
負けじと機械音男は言い返す。普通にしゃべって。
「、、、すごいけど、それやっぱ不便じゃない?」
「不便?それは不便さ。ただね、ムラタ君。不便か便利なんて気にしていたら発明や物作りはできないんだよ!」
「うーん。アオジって変わってるよね?」
「あぁ、アオジは変わってる。けど、機械を触らせたら天才だ。作るも壊すもアオジは天才なんだ。アオジは機械を見ただけで壊れてるかもわかるんだぞ。」
やっと三人目の普通な男が話した。
「じゃあ、あれは?」
少年がレジ上の防犯カメラを指差した。
「あれは、正常。」
「なんでわかるの?」
「赤いランプみたいのが点滅してるでしょ?あのメーカーのあの型式はあれが正常。あれは古いタイプだが当時にしては視野が広いほうで、自動ドアまではいかないが店員さんが今いるあたりまでは全部写ってるよ。」
機械音はどうした?
「あっ、根拠あるんだね。」
「当たり前さ。機械は知識と技術で成り立つのさ。この:あえて機械声君:はその結晶さ。」
いや、そーゆー名前なのか。。